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めまいとは
めまいとは、自分や周囲が回転しているように感じる「回転性めまい」、ふわふわしているような「浮動性めまい」、立ちくらみのような「前失神」など、平衡感覚の異常による症状を総称します。原因は内耳や中枢神経系の異常、循環器系疾患、精神的要因など多岐にわたります。めまいは急性発症の場合、日常生活に大きな支障をきたし、重篤な疾患が背景にある可能性もあります。一方、慢性のめまいは原因の特定が難しく、持続的な生活の質低下を招くことがあります。
めまいの原因となる急性疾患
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
内耳の三半規管にある耳石が剥がれ落ちて発生する回転性めまい。頭の位置を変えると症状が誘発され、数秒から数分続くのが特徴です。
前庭神経炎
ウイルス感染が原因とされ、突発的な回転性めまいが数日間持続します。聴力障害は伴いません。
メニエール病
内耳の内リンパ液が過剰に溜まることで発症します。めまい、耳鳴り、難聴が反復して起こります。
脳卒中(脳幹や小脳の梗塞・出血)
突発性の回転性めまい、構音障害、四肢の麻痺や感覚異常が伴います。早急な診断と治療が必要です。
突発性難聴
一側性の突然の聴力低下と回転性めまいが特徴です。早期治療が聴力回復の鍵です。
外傷性めまい
頭部外傷や頸部のムチ打ちが原因で発生します。平衡感覚の障害や回転性めまいがみられます。
めまいの原因となる慢性疾患
慢性前庭機能障害
内耳や前庭神経の慢性的な障害により、持続的な平衡感覚の異常を引き起こします。
脳血管疾患後遺症
脳梗塞や出血の後遺症で、バランス感覚の異常や浮動性めまいが慢性的に続くことがあります。
自律神経失調症
ストレスや睡眠不足などが原因で、浮動性めまいが断続的に起こります。
頸椎性めまい
頸椎の変形や筋肉の緊張により、椎骨動脈が圧迫されてめまいが生じます。
薬剤性めまい
抗てんかん薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬などが長期使用によって慢性的なめまいを引き起こすことがあります。
めまいで見つかりやすい病気
・内耳系疾患: 良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎
・中枢神経系疾患: 脳卒中、椎骨脳底動脈不全症
・循環器系疾患: 起立性低血圧、心原性失神
・精神的要因: パニック障害、不安障害
・その他: 貧血、低血糖
めまいの検査方法
問診
症状の発症状況、持続時間、誘因(姿勢の変化、ストレスなど)、付随する症状(耳鳴り、難聴、吐き気など)を確認します。
身体診察
眼振検査
めまい発作中の眼振(不随意な眼球運動)の有無を確認します。
頭位変換試験
良性発作性頭位めまい症の診断に用いられます。
神経学的評価
四肢の麻痺や感覚障害、構音障害を調べます。
聴覚検査
メニエール病や突発性難聴を疑う場合、純音聴力検査や耳鳴りの評価を行います。
画像検査
MRI/CT
脳卒中や腫瘍、脳幹や小脳の異常を確認します。
頸椎X線・MRI
頸椎性めまいが疑われる場合に使用します。
平衡機能検査
重心動揺検査
平衡感覚の障害を定量的に評価します。
温度刺激検査
前庭機能を評価するために冷水や温水を使用します。
血液検査
貧血、糖尿病、甲状腺機能異常など全身疾患の有無を調べます。
めまいの治療方法
急性疾患の治療
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
エプリー法(頭位変換法)で症状を軽減します。
前庭神経炎
抗めまい薬(メクリジンなど)やステロイドが用いられます。
メニエール病
利尿薬、内耳へのステロイド注射、食事療法(塩分制限)を行います。
脳卒中
血栓溶解療法、抗凝固薬、リハビリテーションを行います。
慢性疾患の治療
慢性前庭機能障害
前庭リハビリテーション(バランス訓練)を実施します。
自律神経失調症
ストレス管理や生活習慣の改善、抗不安薬を使用します。
頸椎性めまい
筋肉の緊張を緩和する理学療法や姿勢改善が有効です。
対症療法
抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンなど)、ベンゾジアゼピン系薬物、制吐薬が用いられます。
心理的アプローチ
めまいの原因がストレスや不安に関連している場合、カウンセリングや認知行動療法が効果的です。
生活習慣の改善
規則正しい睡眠、適度な運動、塩分やカフェインの制限が症状軽減に寄与します。
めまいに関するご相談
めまいは多様な原因から発生し、その性状や付随症状が診断の鍵となります。急性のめまいでは特に脳卒中などの重篤な疾患を早急に除外することが重要です。慢性めまいでは原因の特定が難しい場合も多く、症状に応じた個別の治療が必要です。問診、身体診察、画像検査、平衡機能検査を組み合わせ、原因に応じた適切な治療を行うことで、生活の質の改善が期待できます。めまいに関するご相談は、京都市右京区の内科、清水医院までご相談ください。