頭痛

頭痛とは

頭痛とは

頭痛は、頭部や首に感じる痛みを指します。ほとんどの頭痛は命に関わるものではありませんが、日常生活に大きな支障をきたす場合があります。頭痛は大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分類されます。一時性頭痛は片頭痛や緊張型頭痛など原因が明確な疾患に関連しないもの、二次性頭痛は脳出血や感染症、腫瘍など明確な原因疾患に伴うものです。突発的で激しい頭痛は緊急対応が必要な疾患が原因となることがあるため注意が必要です。

頭痛の原因となる急性疾患

くも膜下出血

突然発症する激しい頭痛(雷鳴頭痛)が特徴です。しばしば嘔吐、意識障害、首の硬直を伴います。動脈瘤破裂が主な原因で、即時治療が必要です。

脳出血・脳梗塞

局所的な頭痛や神経症状(麻痺、言語障害など)が現れます。高血圧や動脈硬化が背景にあります。

髄膜炎

発熱、首の硬直、光過敏を伴う頭痛が特徴です。細菌性髄膜炎は重症化しやすいため迅速な治療が必要です。

側頭動脈炎

高齢者に多く、こめかみの痛み、顎の疲労感、視力低下を伴います。治療しない場合、失明のリスクがあります。

急性緑内障発作

眼圧の急激な上昇により、片側性の激しい頭痛と視力障害を引き起こします。眼科的緊急対応が必要です。

頭部外傷

頭蓋内出血や脳震盪が原因となることがあります。頭痛に加えて意識障害や吐き気が現れる場合があります。

頭痛の原因となる慢性疾患

片頭痛

脈打つような中~強い頭痛で、片側性または両側性です。光や音に敏感になり、悪心や嘔吐を伴うことがあります。発作は数時間から数日続きます。

緊張型頭痛

頭全体が締め付けられるような痛みで、軽度から中程度の痛みが持続します。ストレスや姿勢不良が誘因となります。

群発頭痛

片側の眼周囲に集中する激しい痛みが特徴で、一定の時期に集中的に発症します。涙や鼻水を伴います。

薬物乱用頭痛

頭痛薬の過剰使用が原因で、頻繁な頭痛を引き起こします。薬を中止することで改善します。

慢性副鼻腔炎

頭痛は副鼻腔の炎症に関連し、鼻詰まりや鼻汁を伴います。前頭部や頬部に痛みを感じることが多いです。

頭痛で見つかりやすい病気

・一次性頭痛: 片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛
・二次性頭痛: くも膜下出血、髄膜炎、側頭動脈炎、急性緑内障
・その他: 副鼻腔炎、頸椎性頭痛、薬物乱用頭痛

頭痛の診察方法

問診

症状の発症状況、頻度、持続時間、頭痛の性状(拍動性、締め付け感、局所性など)、誘因や軽減因子、付随症状(吐き気、視覚異常、発熱など)を確認します。

身体診察

頭部、頸部、眼の診察を行い、神経学的異常(麻痺、感覚障害、反射の異常など)を調べます。

画像診断

頭部CT

脳出血やくも膜下出血、腫瘍を確認するために用います。

MRI

脳梗塞、小さな腫瘍、髄膜炎などの詳細な評価に適しています。

血液検査

炎症マーカー(CRP、白血球数)、血糖値、電解質、感染症の有無を確認します。

腰椎穿刺

髄膜炎やくも膜下出血の診断に使用され、脳脊髄液の分析を行います。

眼科検査

視神経の浮腫や眼圧の異常を評価するために行います。

側頭動脈生検

側頭動脈炎が疑われる場合、診断のために実施します。

頭痛の治療方法

急性疾患の治療

くも膜下出血

動脈瘤のコイル塞栓術や外科的クリッピングを行います。

髄膜炎

抗菌薬や抗ウイルス薬の投与、ステロイド療法を実施します。

側頭動脈炎

高用量ステロイド療法が必要です。

急性緑内障発作

眼圧を下げる点滴や薬剤、外科的治療を行います。

慢性疾患の治療

片頭痛

トリプタン製剤やエルゴタミン製剤、予防的にカルシウム拮抗薬や抗てんかん薬を使用します。

緊張型頭痛

筋弛緩薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ストレス管理が有効です。

群発頭痛

酸素吸入療法やトリプタン製剤を使用します。予防的にカルシウム拮抗薬を併用することがあります。

薬物乱用頭痛

頭痛薬の使用を中止し、医師の指導のもと代替治療を行います。

非薬物療法

生活習慣の改善

十分な睡眠、規則正しい食生活、ストレス管理を行います。

理学療法

姿勢矯正や筋緊張の緩和を目的としたリハビリテーションが有効です。

心理療法

ストレスや不安が関与する場合、認知行動療法が役立ちます。

手術療法

脳腫瘍や血管異常が原因の場合、外科的治療が必要です。

頭痛に関するご相談

頭痛に関するご相談

頭痛は多岐にわたる原因があるため、適切な診断と治療が重要です。急性頭痛では命に関わる疾患を除外することが最優先であり、慢性頭痛では生活習慣や心理的要因の改善を含む包括的な治療が求められます。問診や診察を基に画像検査や血液検査を組み合わせることで、迅速かつ正確な診断を行い、適切な治療法を選択することが患者のQOL向上につながります。頭痛に関するご相談は、京都市右京区の内科、清水医院までご相談ください。

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