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鼻水はどうして出るの?

鼻水が出るのは、鼻腔の内側にある粘膜が刺激を受け、分泌物(鼻水)を多く出すことで、異物やウイルス、細菌、アレルゲン、乾燥した空気などから守るためとされています。鼻水が出るのは体の防御反応の一部であり、さまざまな原因によって分泌されています。
鼻水が出る原因
鼻水が出る原因とメカニズムには、以下のようなものが挙げられます。
感染症(風邪やインフルエンザ)
ウイルスや細菌が鼻や喉の粘膜に感染すると、免疫反応が起こり、炎症を引き起こします。この炎症によって鼻腔の粘膜が腫れ、鼻水が多く分泌されます。 風邪やインフルエンザなどのウイルス感染が最も一般的な原因です。 感染症により鼻水は最初は透明で水っぽいことが多く、後に黄色や緑色に変わることがあります。これは細菌感染や免疫細胞(白血球)が関与するためです。
アレルギー
アレルギー反応が起こると、アレルゲン(花粉、ハウスダスト、動物の毛など)に対して免疫系が過剰に反応し、ヒスタミンなどの化学物質が分泌されます。これが鼻腔の粘膜を刺激し、鼻水やくしゃみを引き起こします。 花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)やハウスダストアレルギー、ペットアレルギーなどが代表的な原因です。 アレルギーによる鼻水は通常、透明で水っぽいことが多いです。
鼻の乾燥
乾燥した空気にさらされると、鼻腔内の粘膜が乾燥し、防御反応として鼻水が分泌されます。これは鼻を潤し、外部からの刺激を防ぐためです。 冬場の乾燥した空気やエアコン、暖房の使用などが原因となることがあります。
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎は、鼻腔の奥にある副鼻腔が炎症を起こす病気で、鼻づまりや膿性の鼻水が特徴です。鼻水は通常、黄色や緑色をしています。副鼻腔に膿がたまり、感染を引き起こすことがあります。これにより鼻水の量が増え、イヤな臭いがすることもあります。
逆流性食道炎(GERD)
胃酸が逆流して食道や喉に入ると、喉の粘膜が刺激され、これが鼻腔にも影響を与えて鼻水を引き起こすことがあります。 特に寝ているときに逆流が起こりやすいです。
環境要因
温度の急激な変化や強い臭い(香水、タバコの煙、化学物質など)も、鼻腔を刺激し鼻水を引き起こすことがあります。 温度差(寒い外から暖かい室内に入るなど)や湿度の変化にも敏感に反応します。
喉の炎症(咽頭炎や喉頭炎)
喉が炎症を起こすと、鼻腔にも影響を及ぼし、鼻水が出ることがあります。この場合、鼻水の性質は、炎症の程度に応じて変わります。
喫煙や受動喫煙
タバコの煙は鼻腔の粘膜を刺激し、過剰な鼻水を引き起こすことがあります。特に喫煙者や受動喫煙者に多く見られます。
妊娠
妊娠中は、ホルモンの影響で鼻腔の粘膜が腫れやすく、鼻水が多くなることがあります。これを妊娠性鼻炎と呼びます。
鼻水が出る場合の検査方法
分泌物検査
鼻水の一部を採取し、顕微鏡で観察することで、炎症の原因を調べます。
細菌感染
白血球や細菌が見られます。
アレルギー性鼻炎
好酸球という特定の白血球が多く検出されます。
真菌感染
真菌(カビ)の存在を確認します。
細菌培養検査
鼻水を培養して、細菌感染があるかを確認します。特定の抗生物質が必要かどうかを判断するためにも重要です。
アレルギー検査
血液検査
血液中のIgE抗体の量を調べます。花粉、ハウスダスト、動物の毛など、特定のアレルゲンに反応するかどうかを確認するためです。
鼻水が出る場合の治療方法
鼻水が出る場合の治療方法は、原因によって異なります。主な原因ごとの治療方法は以下の通りとなります。
感染症による鼻水(風邪やインフルエンザなど)
ウイルス感染(風邪など)
対症療法が基本で、ウイルスそのものを直接治療する薬はありません。
鼻水を抑える薬
抗ヒスタミン薬や去痰薬が処方されることがあります。
鼻づまりの改善
点鼻薬(デコングスタント)を使用し、鼻腔の血管を収縮させて鼻づまりを和らげます。
安静と水分補給
自然治癒を促すために体を休めることが重要です。
細菌感染(副鼻腔炎や急性咽頭炎)
抗生物質
細菌感染が疑われる場合、適切な抗生物質を使用します(使用例: アモキシシリン、セファロスポリン系薬剤など)。
鼻洗浄
生理食塩水を使った鼻洗浄が症状を軽減するのに効果的です。
アレルギー性鼻炎による鼻水
抗ヒスタミン薬
アレルギー反応を抑える薬で、くしゃみや透明な鼻水を軽減します。 内服薬(セチリジン、ロラタジンなど)や点鼻薬があります。
ロイコトリエン受容体拮抗薬
アレルギーによる炎症を抑える薬です。
ステロイド点鼻薬
鼻粘膜の炎症を抑え、アレルギー症状を軽減します。 フルチカゾン、モメタゾンなどが処方されます。
免疫療法
アレルギーの根本的な治療として、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法や皮下注射)が行われることがあります。
副鼻腔炎(蓄膿症)による鼻水
急性副鼻腔炎
・抗生物質:細菌感染がある場合に使用。
・点鼻薬:鼻づまりを緩和し、副鼻腔への排液を促します。
・鼻洗浄:鼻腔や副鼻腔にたまった膿を除去するのに効果的。
慢性副鼻腔炎
・ステロイド薬:長期的な炎症を抑えるために使用。
・手術(内視鏡下副鼻腔手術): 薬物治療が効かない場合、副鼻腔の通りを改善する手術が検討されます。
鼻水に関するご相談

鼻水の治療は、原因(感染症、アレルギー、副鼻腔炎など)によって異なります。抗ヒスタミン薬や抗生物質、鼻洗浄などの一般的な治療法が行われますが、長期間続く場合や症状が重い場合は、京都市右京区の清水医院にご相談ください。
この記事の監修者情報

清水 導臣(しみず みちおみ)
清水医院(内科・外科・総合診療科) 院長
経歴
2006年 近畿大学医学部附属病院 初期研修医
2008年 市立岸和田市民病院 血液内科専攻医(研修)
2010年 関西医科大学附属枚方病院 救命救急センター助教
2011年 大阪府済生会野江病院 救急集中治療科医員
2017年 生長会ベルランド総合病院 急病救急科医長
2019年 京都市立病院 救急科医長
2021年 清水医院 院長
ご挨拶
京都府京都市右京区の内科・総合診療科の清水医院の院長の清水導臣です。
私は救急医として多くの患者さんを診てきた経験から、患者さんと身近に接し、信頼関係を築くことで、安心して治療や生き方を選択できる環境を提供したいと考えています。デリケートな内容も気軽に相談できる関係を大切にし、健康寿命の延伸や病気の予防につなげることを目指しています。そのため、対話を重視し、どのような不安や悩みもまずは気軽にご相談いただける医院を目指しています。