
朝起きて立ち上がろうとしたとき、片方の足の親指の付け根が痛んで歩けない。
いつの間にか腫れて赤みを帯びている。
こうした痛みが片足だけに現れていて、特に親指の付け根が中心である場合、「痛風」や「強剛母趾」といった疾患が関係している可能性があります。
どちらも初期の違和感を放置することで悪化し、日常生活に支障をきたすことがあります。今回は、片足の足の親指の付け根が痛む原因とその対処法、検査や治療のポイントまで詳しく解説します。
曲げ伸ばしがつらい・関節が硬い場合は「強剛母趾」の可能性が高い
足の親指の付け根が動かしにくく、こわばるような痛みが続く場合は「強剛母趾」の可能性があります。
強剛母趾は親指の関節の動きが制限されてしまう変形性関節症の一種で、初期には関節の硬さと軽い痛みが現れ、進行するにつれて関節の変形が目立つようになります。
強剛母趾の主な症状と進行の仕方
強剛母趾は、足の親指の付け根にある「中足趾関節」という関節が硬くなり、曲げ伸ばしがしにくくなる病気です。
初期段階では朝に軽いこわばりや痛みを感じる程度ですが、徐々に関節が変形し、靴を履いて歩くときに痛みを強く感じるようになります。
症状が進むと、親指を曲げる動作がほとんどできなくなり、足の裏の別の部位に負担がかかることで二次的な痛みが生じることもあります。
強剛母趾の対処方法
初期の対処としては、靴の見直しやインソールの使用、足のストレッチなどの保存療法が中心です。
関節の変形が進行した場合には、関節固定術や骨切り術などの手術が選択されることもあります。
片足だけ腫れて熱を持つ場合は「痛風発作」の可能性が高い
一方、痛風は血液中の尿酸が結晶化して関節に沈着し、それを免疫細胞が攻撃することで炎症が起こる病気です。
最も多く症状が出る部位が「足の親指の付け根」です。
いきなり赤く腫れて激しい痛みが起こるのが特徴で、発作的に起こるため「痛風発作」と呼ばれます。
発作は片足だけに生じることが多く、患者さんの多くは歩行が困難になり、片足でけんけんしながら受診されるケースも珍しくありません。
痛風発作の特徴
痛風発作は突然始まり、1日目がピークでその後数日から1週間ほど痛みが続きます。
自然に痛みが引くこともありますが、再発のリスクが非常に高く、慢性的な関節の変形や腎臓疾患につながる恐れもあるため、医師の診察と早期治療が必要です。
痛風発作の原因と仕組みを詳しく解説
ここでは、痛風発作について詳しく解説していきます。
まず、痛風の原因となる尿酸は、体内でプリン体という物質が分解されたときに生成される老廃物です。
プリン体は細胞の代謝やエネルギー産生に関わる重要な物質ですが、分解されると尿酸が生まれます。
通常、尿酸は腎臓を通じて排泄されることで体内のバランスが保たれていますが、プリン体の摂取が多すぎたり、尿酸の排出能力が低下したりすると、血中の尿酸濃度が高まり「高尿酸血症」となります。
そして、血液中で溶けきれなかった尿酸が針状の結晶になって関節に沈着します。
この結晶に対して体が「異物」と判断し、免疫細胞が攻撃することで炎症が起こり、痛風発作が引き起こされるのです。
痛風発作を引き起こすリスク要因とは
以下のような方は、痛風発作を起こしやすい傾向にあります。
・アルコール、特にビールなどを多く飲む方
・清涼飲料水や甘いジュースを頻繁に飲む方
・肥満気味で過食傾向がある方
・運動量が極端に多い、または少ない方
・水分摂取が少ない方
・ストレスを多く抱えている方
・家族に痛風の既往がある方
特に夏場の脱水状態や運動後の飲酒は尿酸値の急上昇を招きやすく、発作の引き金となります。
尿酸値の検査と治療方法について
尿酸値は、採血によって調べることができます。
空腹時の血液検査が一般的で、7.0mg/dLを超えていれば「高尿酸血症」と診断されます。
特に以下に該当する方は、定期的な尿酸値の確認を受けるようにしてください。
・痛風発作の既往がある
・家族に高尿酸血症の人がいる
・生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)を合併している
・肥満またはメタボリックシンドロームに該当する
高尿酸血症の改善方法
痛風の基本治療は、生活習慣の見直しです。
食事内容の改善、体重管理、運動習慣をつけることなど、患者様それぞれに合わせた改善方法を一緒に考えていきます。
それでも尿酸値が改善しない場合や、すでに発作を起こしている方には薬物療法が行われます。
日常生活でできる予防とケア
普段の食事の中で、尿酸を作り出すプリン体を摂りすぎないようにしましょう。
プリン体が含まれているからといって極端に制限する必要はありませんが、摂取量に注意することは大切です。
食事は「バランス」が最も重要です。
過度な制限よりも、食材の組み合わせと規則正しい食事時間を意識することで、自然と体に優しい生活に変わっていきます。
運動と水分補給が大きなカギ
肥満は高尿酸血症のリスク因子の一つです。
体重が増えすぎると尿酸の排出が妨げられやすくなるため、適正体重の維持は予防に直結します。
運動としては、ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動がおすすめです。
過激な筋トレや短距離走は逆に尿酸を増やすことがあるため、適度な強度で継続することを重視しましょう。
また、1日を通して十分な水分補給を行うことで、尿量が増え、尿酸の排出を促進できます。
まとめ

京都市右京区にある「清水医院」は、京福電鉄嵐山本線「山ノ内」駅から徒歩1分の便利な場所にあるクリニックです。
幅広いお悩みに対応していることはもちろん、誰もが気軽に相談できるよう「科に捉われない診療」をモットーに、地域の方の「からだの相談窓口」としてご来院いただける場所でもあります。
一般的な不調から専門的なお悩みまで、「とにかく相談したい」という場合には、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事の監修者情報

清水 導臣(しみず みちおみ)
清水医院(内科・外科・総合診療科) 院長
経歴
2006年 近畿大学医学部附属病院 初期研修医
2008年 市立岸和田市民病院 血液内科専攻医(研修)
2010年 関西医科大学附属枚方病院 救命救急センター助教
2011年 大阪府済生会野江病院 救急集中治療科医員
2017年 生長会ベルランド総合病院 急病救急科医長
2019年 京都市立病院 救急科医長
2021年 清水医院 院長