冬場になると、風邪やインフルエンザにかかる人が一気に増えてきます。
どちらもウイルス感染によって起こる病気ですが、症状の現れ方や重症度、治療方針には大きな違いがあります。
特にインフルエンザは高熱や全身症状をともなうことが多く、仕事や学校を長期間休まざるを得ないケースも少なくありません。
一方、風邪は比較的軽症で済むことが多いものの、見分けがつきにくく、対応を間違えると症状が長引いたり他人に感染を広げてしまったりすることもあります。
本記事では、風邪とインフルエンザの違いや症状の特徴、治療・予防のポイントについてわかりやすく解説します。
風邪かインフルエンザか迷ったら早めの受診を!

前提として、症状にかかわらず不調が続く場合は、無理をせず病院で検査を受けましょう。
正確な診断を受けることで、適切な治療や休養が取れ、周囲への感染拡大も防げます。
特に高熱や全身症状がある場合は、早めの受診を心がけましょう。
インフルエンザと風邪の違いはどこにあるのか
風邪とインフルエンザはどちらもウイルス感染によって引き起こされる病気ですが、その原因ウイルスや症状の出方、重症度、治療方法には明確な違いがあります。
特に冬場は両者ともに流行しやすいため、正しく見分けることが重要です。
原因となるウイルスの違い
風邪の原因ウイルスにはライノウイルス、アデノウイルスなどさまざまな種類があり、年間を通じて発症します。
一方、インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで発症し、毎年特定の時期に流行します。
症状の違い
インフルエンザでは、38度以上の高熱や全身のだるさ、筋肉痛・関節痛、頭痛などが急激に現れるのが特徴です。
激しい咳や鼻水などの呼吸器症状も続きやすく、非常に辛い状況が数日続きます。
風邪の場合は、鼻水やのどの痛みが主な症状で、発熱は37度台の微熱程度で済むことも多く、高熱になるケースは稀です。
経過の違い
インフルエンザは急速に症状が出現し、約1週間かけて徐々に改善していくのが一般的です。
一方の風邪は、発症から症状がゆっくり進行し、早ければ3.4日程度で軽快します。
風邪による発熱は3日以内に下がることが多い点も見分けるポイントになります。
発症の時期と流行シーズンの特徴
風邪もインフルエンザも冬にかかりやすいという共通点がありますが、その背景にはそれぞれのウイルスの特性があります。
風邪は年間を通して発症する
風邪は通年で感染するリスクがありますが、特に冬に流行しやすいのは、乾燥や気温の低下により喉や鼻の粘膜の防御機能が弱くなるためです。
こうした気候の変化によってウイルスが体内に入りやすくなり、感染の機会が増えます。
インフルエンザの流行時期
インフルエンザは、例年11月下旬から12月上旬にかけて感染者が増え始め、1月から3月にかけて流行のピークを迎えます。
4〜5月には徐々に落ち着くのが一般的な傾向ですが、年によって多少のズレはあります。
治療方法の違いとそれぞれの対応

インフルエンザと風邪では治療の進め方にも大きな違いがあります。
正しく見極めて、適切な対応を取ることが回復への近道です。
インフルエンザの治療方針
インフルエンザと診断された場合、抗インフルエンザ薬が処方されることが多く、発熱や咳などの症状を和らげるための対症療法も並行して行われます。
また、インフルエンザは法律で出席停止期間が定められており、解熱後2日(幼児は3日)かつ発症から5日を経過するまで学校や職場を休む必要があります。
風邪の治療は症状に合わせた対症療法
風邪はどのウイルスが原因かを特定することは少なく、基本的には解熱剤や咳止めなどによる対症療法が中心です。
特効薬はなく、体力を温存しながら免疫力でウイルスを排除するのを待つのが基本です。
出席停止などの法的な決まりはなく、体調を見ながら仕事や学校に復帰することになります。
共通する注意点と重症化リスク
風邪とインフルエンザはいずれもウイルスによる感染症であり、油断すると重症化する可能性があります。
特に高齢者や小さな子どもなど、体力や免疫力が弱い人は注意が必要です。
放置すると重篤化の危険も
風邪やインフルエンザ自体が直接命に関わる可能性は低いですが、風邪が肺炎や気管支炎へと進行したり、インフルエンザが脳症や喘息の発作を引き起こしたりすることもあります。
特に小児や高齢者では重症化しやすいため、早期に医療機関での診断を受けることが重要です。
予防対策の共通点と違い

風邪とインフルエンザは、どちらも予防が何より大切です。
予防法には共通する点も多くありますが、ワクチン接種に関しては違いが見られます。
基本の感染対策は共通
手洗いやうがい、マスクの着用、人混みを避けるなどの基本的な感染予防対策は、風邪とインフルエンザの両方に有効です。
特に乾燥する冬場には加湿器などを使い、室内の湿度を保つことも予防に役立ちます。
インフルエンザにはワクチンがある
風邪にはワクチンが存在しませんが、インフルエンザには予防接種があります。
流行前にワクチンを接種しておくことで、発症リスクを大幅に減らすことができます。
高齢者や基礎疾患のある方は、重症化を防ぐためにも接種が強く推奨されます。
クリニック情報

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この記事の監修者情報

清水 導臣(しみず みちおみ)
清水医院(内科・外科・総合診療科) 院長
経歴
2006年 近畿大学医学部附属病院 初期研修医
2008年 市立岸和田市民病院 血液内科専攻医(研修)
2010年 関西医科大学附属枚方病院 救命救急センター助教
2011年 大阪府済生会野江病院 救急集中治療科医員
2017年 生長会ベルランド総合病院 急病救急科医長
2019年 京都市立病院 救急科医長
2021年 清水医院 院長