
「風邪かな?と思っていたら、なかなか熱が下がらない」「咳がひどくて息苦しい気がする」そんなとき、もしかすると肺炎かもしれません。
風邪と肺炎は症状が似ていてわかりにくいことがありますが、まったく異なる病気であり、対応の遅れが重症化につながることもあります。
この記事では、風邪と肺炎の違い・見分け方・受診の目安についてわかりやすく解説します。
「ただの風邪」と見過ごさないために、ぜひ参考にしてみてください。
風邪とはどのような病気か
いわゆる「風邪」は、かぜ症候群と呼ばれる症状の集まりで、その80〜90%はウイルスが原因です。
鼻や喉といった上気道(鼻・口から気管に至るまでの部分)に病原体が感染し、炎症を起こすことで症状があらわれます。
主な症状はくしゃみ・鼻水・のどの痛み・咳・痰・37℃台の微熱などで、全身のだるさや高熱は一般的には少ない傾向があります。
多くの場合、数日から1週間程度で自然に回復しますが、体力が落ちているときや免疫が低下している方は注意が必要です。
肺炎とはどのような病気か
肺炎は、細菌・ウイルス・マイコプラズマなどの病原体が肺の奥深くにある肺胞(はいほう)に感染し、炎症を起こす病気です。
肺胞は酸素を取り込み二酸化炭素を排出する「呼吸」の中心的な役割を担っているため、ここに炎症が起きると息苦しさ・呼吸困難につながることがあります。
肺炎は「風邪をこじらせたもの」と思われがちですが、発症の仕組みが異なるまったく別の病気です。
症状が進行すると入院治療が必要になることもあり、特に高齢の方や持病をお持ちの方にとっては命に関わる病気です。
風邪と肺炎の主な違い
風邪と肺炎の最大の違いは、炎症が起きている場所と、症状の強さ・続く期間にあります。
症状だけで確実に見分けることは難しいですが、次のようなポイントが参考になります。
発熱の程度と続き方
風邪では37℃台の微熱が多く、数日で落ち着いていくことが一般的です。
一方、肺炎では38℃以上の高熱が数日間にわたって続くことが多く、解熱剤を使っても十分に下がらない場合があります。
熱が下がらない・もしくは一度下がってまた上がるという経過は、肺炎を疑うサインの一つです。
咳・痰の様子
風邪の咳は比較的軽く、透明や白っぽい痰が出ることが多いです。
肺炎では咳が激しくなりやすく、黄色・緑色・鉄さび色など色のついた痰が多量に出ることがあります。
咳の強さが増している、または痰の色が変わってきた場合は注意が必要です。
息苦しさ・胸の痛み
風邪では通常、息苦しさや胸の痛みはほとんど生じません。
肺炎になると呼吸が浅くなる・速くなる・息苦しさを感じる・胸に鋭い痛みがあるといった症状があらわれることがあります。
これらの症状は肺胞に炎症が及んでいるサインです。
全身のだるさ・食欲不振
肺炎では強い倦怠感・食欲不振・動けないほどのぐったりした感覚が伴うことが多くあります。
特に高齢の方では、高熱が目立たないまま食欲の低下・活動性の低下・歩行困難・意識障害などが先行することがあり、周囲が気づきにくいまま悪化するケースもあります。
肺炎の主な原因と種類
肺炎の原因となる病原体はさまざまです。
代表的なものとして、肺炎球菌・マイコプラズマ・インフルエンザ菌・肺炎クラミジアなどが挙げられます。
また、高齢者に多い「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」は、食べ物や唾液が誤って気管に入ることで肺に細菌が侵入して起こります。
飲み込む力が弱まった方や、寝たきりの方に多く見られるため、食事や口腔ケアに注意が必要です。
こんな症状があったら早めに受診を
以下のような症状がある場合は、自己判断で様子を見続けずに医療機関を受診することをお勧めします。
・38℃以上の高熱が2〜3日以上続いている
・黄色・緑色・鉄さび色などの痰が出ている
・咳がひどく、なかなか治まらない
・息苦しさ・呼吸が速い・胸が痛い
・体がひどくだるく、起き上がれない
・食欲がまったくなく、水分も摂れない
特に高齢の方や基礎疾患(糖尿病・心疾患・COPD・免疫低下など)をお持ちの方は、重症化しやすいため早めの受診が重要です。
肺炎の診断と治療

肺炎の診断には、聴診・胸部X線検査・血液検査などが行われます。
原因となる病原体の種類によって治療法が異なり、細菌性肺炎には抗生物質(抗菌薬)が使用されます。
ウイルス性肺炎の場合は抗ウイルス薬が用いられることもありますが、症状に応じた対症療法が中心になることもあります。
重症度によっては入院治療が必要になるため、早期に診断・治療を開始することが大切です。
また、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種は、肺炎の予防・重症化防止に有効とされています。
「風邪かな?」と思ったら、症状の変化に注意しましょう
風邪と肺炎は症状がよく似ていますが、炎症が起きている場所も、必要な治療も異なります。
「熱が続く」「息苦しい」「痰の色が変わった」といった変化に気づいたら、早めに医療機関を受診してください。
特に発熱初期でも、息苦しさや強い胸の痛みを伴う場合はすぐに受診することが重要です。
京都市で発熱・咳・息苦しさなどの症状でお困りの方は、清水医院へお気軽にご相談ください。
発熱外来にも対応しており、症状に応じた適切な検査・診察をご案内いたします。
この記事の監修者情報

清水 導臣(しみず みちおみ)
清水医院(内科・外科・総合診療科) 院長
経歴
2006年 近畿大学医学部附属病院 初期研修医
2008年 市立岸和田市民病院 血液内科専攻医(研修)
2010年 関西医科大学附属枚方病院 救命救急センター助教
2011年 大阪府済生会野江病院 救急集中治療科医員
2017年 生長会ベルランド総合病院 急病救急科医長
2019年 京都市立病院 救急科医長
2021年 清水医院 院長