痛風

痛風とは|症状と原因

痛風とは|症状と原因

痛風は足の親指の付け根部分が炎症を起こし、赤くはれて痛む病気です。多くは片足だけに症状が出ます。痛みはとても強く、我慢できない場合も珍しくありません。ある日突然炎症や痛みを生じるために痛風発作と呼ばれる場合もありますが、違和感があるなど初期症状を感じる方も多いです。

軽い場合は1日で治る場合もあり得ますが、多くは7~10日程度で自然にはれや痛みが治まります。しかし再発する場合が多いので、放置せずに痛風の原因である高尿酸血症を治療しましょう。女性は男性よりも痛風が少ないです。これは女性ホルモンのはたらきにより痛風の原因である高尿酸血症を起こしにくいためです。

高尿酸血症とは

痛風の原因は血液中の尿酸値が高くなる高尿酸血症です。全身の細胞で産生されるプリン体が代謝されてできた尿酸は血液に溶けて循環したあと、ほとんどが尿として排泄されます。ところが尿酸の排泄障害や産生過剰のために尿酸値が高くなると、血液中に溶けきれない尿酸が関節にたまって痛風発作を起こします。

高尿酸血症の理由は、男性に起こりやすい・尿酸を体外に排泄しにくい家系などの遺伝的要因と、肥満、メタボリックシンドローム、飲酒習慣などの環境要因があります。後者の場合、糖尿病、脂質異常症、高血圧、脂肪肝などの生活習慣病を合併する方も珍しくありません。生活習慣病の詳細は<生活習慣病について>の項をご覧ください。

痛風の予防方法

痛風を予防する方法の基本は食事、減酒・禁酒などの生活習慣の改善と薬剤です。体重が増えると体内で作られるプリン体が増加するので、肥満やメタボリックシンドロームの方は減量を意識した食事にしましょう。魚卵、レバー、白子、エビ、カツオなどプリン体が多い食事を減らす工夫も大切です。また尿酸排泄のために水分を十分摂取してください。

どのアルコール飲料にも尿酸値を増加する作用があるので、プリン体カットだから大丈夫とはいえません。1日あたり日本酒1合、ビール500mL、ウイスキーダブル1杯程度の適正な飲酒量を心がけてください。

生活習慣を改善しても尿酸値が下がらない場合には薬剤が処方されます。

痛風の治療方法

痛風発作を早く治すために、病院では炎症を抑えて痛みやはれを軽減させる抗炎症薬を使用します。非ステロイド系抗炎症薬、コルヒチン、副腎皮質ステロイド薬が代表的な抗炎症薬で、病状や基礎疾患に応じて薬を選択します。コルヒチンは初期症状の段階で使うと発作予防が可能です。

痛風を生じている患部の安静も欠かせません。冷やしてもよいでしょう。マッサージは逆効果になる危険性があります。

炎症が治まり痛みやはれが引いたあとで、痛風再発を予防するために尿酸値を下げる治療を開始します。高尿酸血症になる機序は尿酸の産生過剰と、尿酸の排泄障害の2つに分類され、それぞれの機序に応じた薬を使い分けています。

この記事の監修者情報

この記事の監修者情報

清水 導臣(しみず みちおみ)

清水医院(内科・外科・総合診療科) 院長

経歴

2006年 近畿大学医学部附属病院 初期研修医
2008年 市立岸和田市民病院 血液内科専攻医(研修)
2010年 関西医科大学附属枚方病院 救命救急センター助教
2011年 大阪府済生会野江病院 救急集中治療科医員
2017年 生長会ベルランド総合病院 急病救急科医長
2019年 京都市立病院 救急科医長
2021年 清水医院 院長

ご挨拶

京都府京都市右京区の内科・総合診療科の清水医院の院長の清水導臣です。
私は救急医として多くの患者さんを診てきた経験から、患者さんと身近に接し、信頼関係を築くことで、安心して治療や生き方を選択できる環境を提供したいと考えています。デリケートな内容も気軽に相談できる関係を大切にし、健康寿命の延伸や病気の予防につなげることを目指しています。そのため、対話を重視し、どのような不安や悩みもまずは気軽にご相談いただける医院を目指しています。

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